正八面体一筆書きパズル考えてみました。幾何というよりはグラフの問題ですね。
前期の研究発表が昨日ようやく終わったので息抜きに。あとは院試だけだー。
文系の人だと「正八面体」と聞いて
形をぱっと思い浮かべられない人がわりといる予感。
結構面白かったので暇な人は自分で考えてみると良いでしょう。
俺の解答は続きに。
余談ですが、一筆書きが存在するための必要十分条件は「全ての点に繋がる辺の数が偶数であること」です。正八面体はこれをちゃんと満たしていることがわかります。
解答結論は最後に。あえて回り道します。その方が面白いから。
まず、平面上で合同な正三角形が辺を共有してたくさんくっついた集合体を考えてみます。
正八面体の展開図の一般化みたいなイメージをぼんやり持ちつつ。
そして、
外周に方向を決めてやります。ここでの方向は右回りか左回りのどちらかです。
![T[n]](http://blog70.fc2.com/a/arith/file/directed_triangles.png)
(※図形の辺に付した矢印は辺の方向を表しています)
こんなかんじの、
外周に方向のついた多角形を考えるわけです。
この多角形のうち、n個の正三角形で構成されるものをT[n]とします。
T[1]が問題で言われる「赤く塗る面」に対応します。
n=1, 2, 3 まではT[n]は(外周の向きを除いて)一意に決まりますが、
T[4]以降は一般に複数の形があります。
さて、T[n]は外周だけ方向が決まっている状態です。
次にこのT[n]の「方向付け」、つまり内部の三角形の全ての辺に対して
各々方向をを決めてやることを考えます。
そしてその中にT[1]、すなわち三辺全てが同じ回転方向を向いたものが
ひとつも存在しないような組み合わせがあるかどうかがここでの興味です。
まずT[2]を考えてみましょう。
![T[2]](http://blog70.fc2.com/a/arith/file/directed_triangle2.png)
方向がついていないのは真ん中の一辺のみです。
しかしこれを下向きとすると左側の三角形が右回りのT[1]となり、
逆に上向きとすると今度は右側の三角形がT[1]となります。
同様にT[3]についても
![T[3]](http://blog70.fc2.com/a/arith/file/directed_triangle3.png)
青線を下向きとすると左側の三角形が
緑線を上向きとすると右側の三角形が
青線を上向きかつ緑線を下向きとすると真ん中の三角形が
それぞれT[1]となります。
ポイントは、T[1]ができないように方向付けをしようとすると、
三角形の二辺が同じ方向に定まっている場合、
残り一辺の方向が自動的に決まるということです。
T[n]には外周の方向が定まっているので、三辺のうち二辺が外周の一部になっている「突き出た」三角形の残り一辺の方向は自動的に決まります。
そして自動的に方向が決まる全ての辺がどこかで衝突してしまう、
それゆえ必ずT[1]ができるのだということです。
T[4]の場合は3種類ありますが、同様に考えればどれも必ずT[1]を含むことがわかります。
![T[4]](http://blog70.fc2.com/a/arith/file/directed_triangle4.png)
なにやら、一般のnでも同じことが言えそうな雰囲気です。
そこで次の命題を提示します。
命題A:
任意のnについて
あるT[n]の内部の三角形の全ての辺に方向を定めたとき
その中に少なくとも一つ、必ずT[1]が存在する
この命題の真偽は
次の記事のネタにするとして、ここでようやく本題に入ります。
問題「赤く塗る面(=T[1])が一つも存在しないような、正八面体の一筆書き方法はあるでしょうか」
正八面体を一筆書きすると、その過程で少なくとも一つは単純な閉路(一度通った点は通らないようなループ)ができます。(一筆書きなのだから、最初に出発した頂点を再び通る。その途中で同じ点を2度以上通るなら、その点から出発してその点に戻ってくるまでの部分ループを再帰的に考えればよい)
そしてその閉路は、適当な展開図上でT[n]となるものです。
また、正八面体の頂点は6個であり、6個の点から構成できるのはT[4]までです。
これはn≧5について、T[n]を具体的に考えてみれば明らかでしょう。
つまり、正八面体の一筆書きには、必ずT[n](n≦4)が含まれるのです。
先に示したとおり、n≦4のときT[n]の内部には必ずT[1]が存在しますから、
問題の答えはNo。そんな一筆書きはないことがわかります。
こんにちは この問題に関連して 教えてください 8面体の稜線一筆の一例でみると 面の各三角形での運筆の向きは三辺で同じである そして隣り合った面のその向きは交互に変わる 各面の3辺の運筆は一つを除いて(1−2−3の如く)順番である。
これは 一筆可能な すべて経路について言えますか? ちなみに経路は幾つあるのでしょうか ?